2025年度の自主講座「認識台湾 RenshiTaiwan」では、 “台湾・継続する植民地戦争”を統一的なテーマとする連続講座を開催しました。全6回のアーカイブ録画を公開しております。
〈連続講座のコンセプト〉
戦争とは、主権国家の正規軍のあいだでだけおこなわれるわけではありません。 アジア・アフリカの諸地域が植民地化される過程で、 また植民地支配のなかで、 苛酷な軍事行動が展開され る一方、 生活の場を破壊された現地住民が武器を手にとって抵抗する事態がくりかえされてき ました。
また、 当初の大規模な軍事行動が終了したのちも「法的」装いのもとに占領体制が事実上継続し、 「平時」と「戦時」が未分化な状態が生まれがちでした。
近年では、 このように占領者と現地住民の圧倒的に非対称的な軍事的対立を「植民地戦争」として捉えるべきことが提唱されています(愼蒼宇『朝鮮植民地戦争』有志舎、 2024年参照)。
それでは、 台湾における「植民地戦争」はどのようなものだったのでしょうか?
1874年の日本による「台湾出兵」での日本軍と台湾先住民族との戦い(牡丹社事件)、 1895年の下関講和 条約締結後における台湾征服戦争、 さらに台湾先住民族居住地域の征服、 台湾人を軍人・軍属として動員した日中戦争、 1947年の国民党政権に対する反政府反乱と軍事的鎮圧にそくして考えます。
〈各回のアーカイブ録画〉
第1回◎呉密察講演会「台湾史とはなにか?―植民地主義と戦争が交錯する400年」(2025.5.21)
第2回◎宮岡真央子講演会「台湾の先住民族からみる日本の台湾出兵/牡丹社事件」(2025.5.22)
第3回◎新田龍希講演会「台湾「割譲」と植民地戦争」(2025.7.24)
第4回◎北村嘉恵講演会◎「非対称な戦争の記憶を掘る―台湾先住民族の歴史経験と日本社会」(2025.7.31)
第5回◎栖来ひかり「陳澄波と三つの「戦争」」
第6回◎第6回 駒込武講演会「呉新榮と三つの戦争」